存在感があり人目を惹くのれんは、昔から店頭などの屋外で用いることで看板の役割を担ってきました。
この風習は、江戸時代から続いているそうです。店の屋号や商品名を印刷して名入れを行い、インパクトを与えるのに最適な販促アイテムとして親しまれてきました。
こうした店頭暖簾は、お店の外観や店内の雰囲気を伝えるアイキャッチ力が高いので、店の特徴に合わせて色や素材に工夫を凝らしています。
和風の趣を伝えるのに最適で、寿司屋や蕎麦屋・和菓子屋などの和食店から居酒屋・定食屋など多様なジャンルで用いられています。
また、酒屋やお土産屋などでは、直射日光や雨風から商品を守る役割も兼ねており、商売に欠かすことができません。
一般的には生地の耐久性や耐候性を重要とし、丈夫な素材で作成した暖簾を店頭用ののれんとして使うことが多いようです。

麻で製作したのれんを屋外で使用する場合は、日光や雨風などの当たらない場所で取り扱う方が良いでしょう。高級感を出したい店舗では、とても効果的です。
麻の暖簾の特徴と扱うコツ
高級店舗で使われることの多い麻のれんを扱う場合、まず生地の特徴を理解しましょう。暖簾製作に使用されるものは、植物表皮の内側や葉茎から採取される繊維を総称しています。
通気性が良く強度も丈夫で、抗菌性が高い特徴があり、さらっとした感触が涼やかな印象を与えてくれます。
綿やポリエステルなどと比べて、高価で上品な風合いが魅力です。上質感や高級感にあふれていて趣のある存在感を感じるため、のれんで使用する場合は、生地を生かしてワンポイントの
名入れなどを施して用いることが定番となっています。
一方、デリケートな素材は、お手入れや扱いに十分な注意が必要になります。繊維の目が粗いため水に濡れると多少の縮みがあり、5~10%ほど縮むと言われています。

アイロンでシワを伸ばすことはできますが、折れてしまった生地は元に戻すことができません。
特に、完全に乾いてしまうとシワが定着してしまうので、乾ききる前にアイロンがけすることがコツです。
直射日光にも弱いので、直接陽の当たらない場所で取り扱うようにしましょう。